知識 理解 技能 関心 意欲 態度 思考 判断 表現 単元 教材 生徒 学校

学びに変化をもたらす要因となる機能 There is a function that becomes a factor in modifying the learning process.

生徒観

生徒観

(1)「できる生徒」

  • 自在にイメージを思い浮かべることができ,提示されたことを「まねる」ことができます。(=象徴機能
  • 親切な解説や例題があれば,全く新しい内容であっても,自力で課題を遂行することができます。(=関心・意欲・態度の形成)
  • 自分自身の理解を自己診断できます。(=メタ認知機能
  • 一般的な学習方略を学習内容に応じて使用するので,効率的に知識を獲得することができます。

(2)「できない生徒」

  • イメージを思い浮かべることが困難で,提示されたことを「まねる」ことができません。(=未熟な象徴機能
  • 親切な解説・例題付きの課題であっても,自力で行うことはできないので,家庭学習としての宿題や予習はできません。
  • 学習した内容について「何が分かっていて何が分からないのか」を自己診断できないので,復習ができません。(=未熟なメタ認知機能
  • 一般的な学習方略を知らない,あるいは使用しないので,学習の意志があっても,知識を効率的に獲得することができません。

※「できる生徒」は,知識の大量獲得が可能ですから,いわゆる「物量主義の学力対策」は有効です。受験対策として0時間目・7時間目を確保し,受験に必要な領域固有の知識を教材として提供すれば,合格率は向上します。しかし「できない生徒」に物量主義の受験対策を施しても必ず失敗します。さらに「学習性の無力感」を育んでしまうので注意が必要です。

 なお,「できる生徒」と「できない生徒」には,次のような特徴があります。
      
(3)「聞くこと」に関して
「できる生徒」は状況に応じて「聞くこと」に意識を焦点化できます(聞くことができる)。たとえば,ノートをとりながら授業者の話をモニターしており,聞こえてくる情報が自分にとって必要なものならば「注意の配分」を「書くこと」から「聞くこと」へコントロールし,しっかりと内容を聞き取ることができます。(=十分な注意機能) 
 一方,「できない生徒」は授業者が,注目して聞くように指示をしても「聞くこと」に意識を焦点化することができません。「注意の配分」ができないので,自分にとって有益な情報であっても必要なことを聞き逃すことになります。授業者が静寂を作り,視線を向けさせてから話をしても,当人にとって重要なことを聞き逃してしまうことがよくあります(=未熟な注意機能

(4)「話すこと」に関して
「できる生徒」は対話において,自分の思いを「意味のある文脈」にして発話しようとします。(=十分な象徴機能メタ認知機能) 
 一方,「できない生徒」は,自分の思いを「意味のある文脈」にすることができず,結果的に「単語の羅列」や「ねじれた文脈」になってしまいます。(=未熟な象徴機能メタ認知機能
 「正確な対話」すなわち「誤解のない対話」は「聞き手の努力」があって初めて成立します。このような生徒どうしの対話,あるいは生徒と先生の対話は「正確な対話」にならず「誤解に満ちた対話」となります。そしてトラブルに発展することになります。

(5)「読むこと」に関して
「できる生徒」は,意味を把握しながらテキストを音声にすることができます。また,読みながら「意味の把握ができない箇所」がわかっているので,わからない箇所をモニターし,その前後を行ったり来たりしながら読み返し「わかろう」とします。時間さえかけるならば,理解は可能です。(=十分なメタ認知機能象徴機能) 
 一方「できない生徒」はテキストを音声で出力しても,意味の把握はできていません。したがって,非常に簡単な内容の文章であっても,読んだ直後の簡単な質問に即答できないことがよくあります。たとえば,「明日は,駅の改札前に9時集合,18時解散です。」といった文章を読ませた直後に,「集合場所はどこだった?」という質問に即答できません。非常に流暢に読めたので,意味を理解していると思えても,実際には意味を把握しておらず「読めていない」という現象が観察されます。

(6)「書くこと」に関して
「できる生徒」は「書くこと」が「意味の構築」であることを知っています。そのため,書いた文章を読み返し,試行錯誤しながら(意識の焦点化と集中を繰り返しながら)「自分自身が読んで理解できる文章」に仕上げていきます(=十分なメタ認知機能注意機能象徴機能)。
 一方「できない生徒」は,自分の文章を読み返しても,意味がわからず,吟味することができません。したがって,何度書き換えても,意味が伝わる文章にならず,支離滅裂になってしまいます。自分の文章を吟味できないので「自律した書き手」には成り得えないのです。(=未熟なメタ認知機能)主題にまつわる事柄を思い描くことができず(=未熟な象徴機能),主題が明らかになっても,意識がそこに焦点化できず,集中もできない(=未熟な注意機能)「文のねじれ」をモニターできないなどの問題が観察できます。(=未熟なメタ認知機能

(7)「手続きの履行」に関して
「できる生徒」は簡単な手続きを間違うことはありません。生活面でも,学習面でも,約束に則った一連の手続きを履行できます。手続きを示せば,簡単な計算や実験実習の履行に問題は生じません。忘れ物は少なく,提出物は「特別なはたらきかけ」がなくても,手続き(約束事)を守って提出することができます。
 一方「できない生徒」は「約束に則って物事を処理していくこと」ができません。したがって,手続きが示されても,簡単な計算や実験実習に問題が生じます。忘れ物は多く,提出物は「特別なはたらきがけ」がない限り「絶対」に出すことはありません。また,提出したものには必ず不備があります。いま実行している手続きを一時中断し,別の処理をし,中断していた手続きを再開するといったことができないのです。このような生徒には,一つ一つの処理を,明確に指示し,できたことを確認した後に,次の処理に移行させるといった段階ごとの「特別なはたらきがけ」が必要となります。一人でさせると守るべき順序を無視したり,順番を飛ばしたりするので,目的が達成されないわけです。しかも,当人が「見直すこと」はないので「失敗」を繰り返すことになります。(=未熟なメタ認知機能注意機能

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